ビルドンブンコ

趣味で書いた小説を保管する場所

ノンシリーズ-不思議ですよね!(強引)

開きますよね!(扉)

三原楓の無茶なお願いにはこれまで何度も応えてきたが、今回ばかりは難しい。 ソファに座っていた片塰叶花は、肘置きに片肘をついて僅かに身体を傾けた姿勢で、側頭部に指を当てる。 「そんな急に言われても……。今日の晩でしょう」 「お願いします!」ソファ…

見つかりますよね!(傘)

玄関を開けると、ずぶ濡れの三原楓が立っていた。その顔は泣いているように見えたが、それは誤解だろう。単に雨水が前髪から伝って頬まで流れているだけだ。少なくとも、片塰叶花はそう認識することにした。 「ずぶ濡れじゃない」 珍しく楓が何も言わないの…

当たりますよね!(占い)

「駅前に占い師がいるんですよ!」 机の上のジュースを一気に飲み干すなり、三原楓はまるで世界を揺るがす大ニュースを報告するかの勢いで声を上げた。 「占い師だって人間なんだから、電車くらい乗るでしょ」 片塰叶花は片手の文庫本に視線を落としたまま静…

貯まりますよね!(お金)

「お金がなくなりました!」 玄関を開けると、三原楓は何よりも先にそう言った。せめて一歩でもいいから玄関に足を踏み入れてからにして欲しい。部屋が広くないマンションなので、隣人にも聞こえたんじゃないだろうか。 「大人の常識だから、まだ中学生のあ…

美味しいですよね!(うどん)

「天ぷらうどんで!」 注文を取りに来た店員に、待ってましたと言わんばかりの勢いで先に注文したのは三原楓。 何を頼むか全く決めていなかった片塰叶花は「私も同じのを」と告げてメニューを閉じた。 「あれ? もしかして、店員さんに注文するだけで緊張し…